野球のピッチングでは、ウエイトリフティングのように重いものを持ち上げるような強い力は必要ない。いかに腕を加速するか?が大事になってくる。
ダブルスピンの原理
ピッチングを効率的に行うための運動原理がある。
まず、脊柱を中心とした回転、いわゆる腰の回転がある。これをファーストスピンと呼ぶ。
次に腕を曲げて肩をネジる。すると腕は振られるように動く。このネジりをセカンドスピンと呼ぶ。
さて、このファーストスピンとセカンドスピンをタイミングよく掛け合わせる。
すると、腕がねじられながらスイングされる。↓こちらのCGを参照。
このように二つのスピンを掛け合わせて腕を加速することをダブルスピンと呼ぶ。
3つの慣性力
さて、このダブルスピンを行うと非力でも速く腕をスイングをすることができる。
そのカラクリは3種類の慣性力にある。
一つ目は重力。腕の重さは個人差はあるが片腕で5キロくらいあると言われる。セカンドスピンのような動きをすると重力が働き、腕は加速される。
2つ目は遠心力。これも簡単。腕をスイングするときに、働く力。この力も無視できない。
3つ目が一番大事なんだが、コリオリ力。おそらく多くの方は聞いたことがないはずだ。これは2つの回転する物体がある時に働く慣性力。難しく説明しようとするといくらでもできるが、このブログは物理学のものではないので、詳しくは割愛する。
要するに、ピッチングでダブルスピンを行うとコリオリ力という慣性力が発生する。そしてその慣性力はピッチングの腕の振りと同じ方向に発生する。だから、力を入れずとも速く腕をスイングすることが可能なのである。
ダブルスピンの効率的な使い方とは?
ダブルスピンを使い、スイングスピードを上げるには、その力の源である慣性力を最大限に使う必要がある。そのための条件は3つ。
①ファーストスピンの速度を上げる
②セカンドスピンの速度を上げる。
③そしてその二つのスピンを最適なタイミングで掛け合わせる。
こと。
少し長くなってしまうので、次回、さらに詳しく、ダブルスピンについて深掘りしていきたいと思う。
当院では、このような運動原理に基づいた体の使い方を推奨し、そしてそのための体作りのお手伝いを行います。興味のある方はこちらまで。