昨日の投稿の続きになるんだけど、(詳しくはこちらを参照↓)
今日は浅田真央のトリプルアクセル。昨日の動画でも、浅田真央の特徴は綺麗な回転にあると言われている。
なぜ綺麗な回転だとたくさん回転することができるのか?
そもそも綺麗な回転の定義は何かというと、
「軸がブレず、綺麗な直線を保っていること」
難しく表現するならば、
「慣性モーメントが極限までに小さくすること」
となる。
慣性モーメントとは?
慣性モーメントを、かなりかなりかなり、優しく説明すると、
物体の回転のしにくさを表したパラメータとなる。
言葉だと分かりづらいので、例えば、こんな二つの輪っかがあったとして。
重量は同じ。
違いは直径だけ。
どっちが回しづらい?
おそらく左の方がより回しづらい、同じように回すなら力がいる。
つまり、同じ重量であった時、直径が大きければ大きいほど回しづらくなる。
物体の直径が大きくなる=慣性モーメントが大きくなる=回転しづらい
ということ。
ジャンプでは慣性モーメントをできるだけ小さくしたい
では、話をトリプルアクセルに戻す。
フィギュアスケートはできるだけ速く回れれば、より多く回転ができ、技術点も上がるわけだから、ジャンプでは慣性モーメントはできるだけ小さくしたい。
だから、普通、両手は体幹にくっつけ、両足は閉じて、できるだけ体の直径を小さくする。
その時、軸がブレたり、軸が曲がっていると、その分直径が大きくなり、慣性モーメントが大きくなる。回転がしずらくなるわけだ。
だから、浅田真央のように、綺麗な軸(軸がブレない、真っ直ぐ)というのは回転の多さを競うには有利に働くわけで。
なぜ浅田真央は大人になってトリプルアクセルの成功率が下がったのか?
実はここからが本題。
浅田真央は子供の頃にいとも簡単にトリプルアクセルを決めていた。天才少女と呼ばれていた頃の動画はYoutubeにもたくさんある。
ところがある時から、トリプルアクセルの成功率が一気に下がる。ニュースでも、昔は決めて当たり前だったのが、いつ頃からか「今日は成功するか?」みたいな確率が半々みたいになってきた。
もちろん、世界のトップアスリートの仲間入りをしてマスコミに過度に注目されたことによる精神的なプレッシャーもあったと思う。
子供の頃からのハードな練習とスケジュールで体の消耗もあった思う。
でも、それ以上に大きなことは、慣性モーメントが大きくなったことではないかと睨んでいる。
女性は月経が始まる頃から、体つきが女性っぽくなる。
体は丸みを帯びる。そして、骨盤が浅く、広くなる。これは成人男性と成人女性の骨盤を比べると明らか。
女性は妊娠に備えて、赤ちゃんを産みやすいような体つきになる。
一方で、慣性モーメントは大きくなり、トリプルアクセルはしづらい体にもなってしまう。
回転は全てのスポーツで使うので、慣性モーメントを無視してはいけない
これはフィギュアスケートに限ったことではない。あらゆるスポーツで子供の頃に天才と言われた女性アスリートが思春期を迎えた頃にパフォーマンスが下がり、以前のように活躍できなくなる例は少なくない。
これは私の仮説もあるが、骨盤が広く浅くなることで、腸腰筋などの回転に関係する筋肉が使いづらくなり、運動能力、特に昨日書いた筋反射は使いづらくなるということも起こるのではないかと思っている。
女性アスリートは思春期以降、こういった筋反射を伴ったキレが落ちるわけだから、ジャンプではなく、表現力で戦うキム・ヨナが勝ったように、体操やフィギュアスケートでは表現力を武器にした方がある年齢から有利になってくる。
話がちょっとズレたけど、慣性モーメントは回転に大きく関与するパラメータで。野球やテニスやサッカーでも体を回転しながら腕や足を加速するわけだから、当然、関係してくる。
この辺の使い方について、詳しくはこれから書いていこうと思う。
ということで、当院の治療に興味のある方はこちらまで。