末期ガンのおじいちゃん
10年くらい前に末期ガンのおじいちゃんをマッサージしてほしいと、ご家族から依頼があった。その患者さんは余命も数ヶ月で治療もできず、ただ死を待つだけの状態だった。家族としては治らないのはわかっているから、少しでも痛みを和らげてほしいと、藁をもすがる思いで依頼されてきた。
緊張と不安しかない
当時のオレはとにかく緊張と不安でいっぱいだった。
「そんなこと、オレにできるだろうか?」初めてのことで汗びっしょりでマッサージをしたのを覚えている。とにかく自分のできるベストを尽くした。
すると、翌日、ご家族から連絡が。あれ以来、とても楽になったそうで、元気に生活ができるようになった、と。残念ながら、数ヶ月後にそのおじいちゃんは亡くなった。後から聞いたんだけど、マッサージの日は朝早くから起きて、ずっとオレのことを待っていてくれたらしい。
恐怖を感じよう
今考えても、あの時の施術は完璧なものじゃなかったなと。決して手を抜いたわけじゃない。でも、やっぱり若い頃の施術だからまだまだだなって今のオレからみても思う。でも、あの時の施術を超える効果を出したことはない。なんでかなって思ったら、やっぱり、
不安と緊張と恐怖をオレが感じていたからじゃないか?
それも、ただそんな感情を持てばいいってことじゃなくて。それには、
やり方がわからない、新しいことに挑戦していたから。
マッサージノート
オレは今まで毎日、全ての患者さんのマッサージの記録をつけている。それは何をやったか、どういう感覚でやったかを書いている。それによって、同じことを繰り返さないようになる。常に、何か新しいものはあるか?と考えることができる。たまに前回と同じことをあえてやってみる、ていう挑戦もありうる。そうやって、新しいことに挑戦すると、そこにやり方がないから、不安と緊張と恐怖が襲ってくる。
クリエイティビティってのはそういう感情から生まれるんじゃないか?
ということで、そんな当院に興味のある方はこちらまで。