運動をする時に、筋肉の使い方には2種類ある。
一つは筋収縮でもう一つは筋反射。
筋収縮とは我々が通常に使っている動きで、脳から脊髄を通り、筋肉を収縮させて体を動かすもの。
それに対して、筋反射とは、筋肉を反射的に動かすもの。例えば、有名なものではカッケのテストで行われる膝蓋腱反射。あの膝を叩くと膝がピョンと伸びるやつ。
筋肉は伸ばされると、筋紡錘(きんぼうすい)と呼ばれる受容器が脊髄に送られ、脊髄から『急激に縮め』と筋肉に命令が下る。つまり脳を経由しない(脊髄反射)。
そして急激に筋肉は収縮する。
アスリートはこの筋反射を使い、爆発的な力を出しているのだと当院では考えている。
反動を使わないスタートダッシュ
アマチュア選手の多くは通常の筋収縮を使った動きなので、トップスピードに乗るまでに時間がかかる。また、筋収縮だと動き出しが遅い。なので、反動を使うことになる。盗塁で言うなら、一度、一塁方向へ体を動かして、その反動で動き出さないとかなりスタートが遅れてしまう。
周東選手は筋反射を使った動きなので、反動が一切ない。一塁方向へ体を動かすことなく、いきなり動き出している。仮にアマチュア選手がこの動きで盗塁をしたのなら、かなりスタートが遅れるはずである。またはトップスピードに乗るまでにかなり時間がかかるはずだ。
これは盗塁に限らない。ボクシングでも、筋収縮を使うボクサーは、いきなりパンチを繰り出すことは難しい。一度、背中側に腕を引いて、反動を使ってからパンチを繰り出す。これだとパンチに一瞬の遅れが出る。相手にはこちらの動きがバレるから、パンチを当てるのは難しい。
悪魔王子と呼ばれた天才ボクサー
悪魔王子と呼ばれた天才ボクサー、ナジーム・ハメドと言う選手がいた(今は引退している)。彼のファイトスタイルは、
両腕を下げたノーガードの構えから不敵な笑みで相手を挑発するスタイル。
怒った相手がパンチを繰り出すが、面白いように全てかわす。
そして急激に放たれるパンチであっという間にノックアウトするのである。
その相手を小馬鹿にした、ふてぶてしいスタイルがこちら。
いきなり速くて重いパンチが来るので相手はワンテンポ遅れる
彼の動きはオフェンスもディフェンスもフットワークも全て筋反射を使えるまさしく天才。彼のパンチはいきなり強烈なのが来るので避けられない。また、軽く飛び跳ねるように打っているが、ちゃんと筋反射を連動させているので、とても速く、そして重い。だから、遊んでパンチを打っているようでも、相手はフラフラになる。
さらにディフェンスでも筋反射を使えるので、とても素早く避けられる。ノーガードでスキをだらけなのに、十分に相手のパンチを避けることができる。
彼は何十年に一人の天才なのでここまでのパフォーマンスは難しいが、筋肉を緩めることで、より効果的に筋反射を使うことはできるし、スポーツのパフォーマンス向上も期待できる。
と言うことで当院の施術に興味のある方はこちらまで。