英語に問題はなかった
最初にアメリカに来た時。英語に自信がなくて。自分が話をしても通じなかったり。なんでだろう?って思ったら、ある時、アメリカ人に言われた。
「なんて言ってるか聞こえない」
つまり、声が小さかったから聞こえなかっただけ。自信がないから声が小さくなる。だから聞こえない。で、「え?」って聞き返される。すると、「自分の英語がダメだからか」って自信を失ってさらに声が小さくなる。その悪循環。
だからある日から声をしっかり出して話したら全然、話せるようになった。通じるからさらに自信が出て声も出て、さらに通じて・・・。
治療も同じ
これと同じことが治療でも起こってて。オレは自分でいうのもなんだけど、たくさんの痛みをとってきた。痛くて歩けないような人が痛みが取れて歩けるようになったり。寝たきりのおじいちゃんが立てるようになったり。日本にいたときはそんなことは普通にできてた。ところがアメリカに来たらそれができたりできなかったり。なんでだろう?って考えてたら、ふとさっきの英語のこと思い出した。
治療は4次元
オレはいつも治療は4次元でやるべきだと思ってる。ほとんどの人は筋肉やツボを教科書で覚える。だから2次元。でも実際は立体で起こってるわけだから3次元な訳で。どの筋肉がどうねじれながらついてて、この筋肉がこの筋肉の下を通ってるとか。それから筋肉を押すのも3次元で考えれば、押す方向も必要なわけだ。
そしてさらに大事なのが4次元、つまり時間の概念。筋肉をどれだけ押すかってのも大事になる。10秒なのか30秒なのか1分なのか?つまり、
「どの部分を」「どの方向に」「どれくらいの時間押すか?」を考えて行うのが4次元的な治療なわけで。
患者さんの反応に負けないこと
今、やってる患者さんで評判のいい人は大抵、反応のいい人。マッサージしてる最中に、「気持ちいい」とか「あ、楽になりました」とか言ってくれる人。だから、こちらも自信がつく。でも、それをしてくれない人がもいるわけよ。そうすると、「あれ?ちゃんときいてるかな?」と不安になる。すると、十分に筋肉をほぐす前に違う筋肉のマッサージにうつっちゃう。すると本当はもっと時間をかけてマッサージしないと緩まないままになって。これ、ほんと微妙な違いなんだけど、どうやらアメリカに来て、環境変わって、マッサージする対象の人も変わったせいか、迷いがあった。
期待に応えない
最初、アメリカでマッサージし始めた頃は患者さんの要望に答えてた。
もっと強く押して欲しい
ここを揉んで欲しい
とか。で、大抵は失敗する。これ、自信がないからなのよ。だから、オレは自信を持って断るようにした。
「強く揉んでも変わらないし、むしろ悪化することがありますよ」
「ここは揉まないほうがいいですよ。」
とか、すると、離れていく患者さんも出た。そういう患者さんは気持ちいいマッサージを求めている人。そういう人はその辺のマッサージ店に行けばいい。うちはあくまで治療院であって痛みを取ることが仕事。だから、痛みで困ってくる人だけくればいい。そう思ったら、どんどん痛みが取れるようになった。
そういい意味で何でもかんでも期待に応えないことこそ、最高のサービスへの第一歩なんじゃないか?