当院では筋力トレーニング、特にウエイトトレーニングはしないほうが良いと考えている。それはプロアスリートにも同じことが言える。筋肉をねじりながら、連動させながら、筋反射使うことが自然な使い方であると何度もこのブログでも書いてきたけど、ウエイトトレーニングは、
関節を固定し、
筋肉を直線的に、
持続的な力の加え方をするという
全く別の動きだから。もっと言えば、このようなウエイトトレーングのような動きは我々の日常生活で行うことがほぼない。にもかかわらず、「筋肉が太くなるから」という理由だけで、ウエイトトレーニングをするプロアスリートは後を絶たない。
地獄の千本ノックは科学的?
中日ドラゴンズを4度のリーグ優勝、1度の日本一に導いた落合監督は、監督に就任早々、
「相当きついキャンプになります。選手には泣いてもらいます」
と発言し、実際にハードな練習を課した。特にそのノックは質・量ともに半端ない量で、コーチが「これ以上したら死にます」と言って止めたほど、と言われる。
ここまでフラフラになるまで選手を追い込むことは近代スポーツではかなり珍しい。
筋力などのトレーニングではある程度、筋肉に負荷を与えると休息を取ることで筋力がアップする超回復を期待する。でも、この落合ノックでは休息はない。できる限り与えない。
また、近代野球では怪我のリスクを考え、選手を追い込みすぎないことも常識となっている。よく、選手が体に張りや違和感を感じると、大抵は練習をストップする。ここでも落合ノックは常識の逆を行く。
選手は怪我しても構わない
そんな非常識な千本ノックに対して疑問を投げかけるマスコミに落合は答える。
「選手は怪我をしても構わない」
「怪我をすることで覚えるものもある」
トップアスリートが行う筋反射をねじりながら伝える動きは、体全体の連動が大事になる。この柔かいトップアスリートの動きに最も重要なのは、「脱力」。
だから、余計な力を抜くことが大事になる。
でも、人間は力を入れるという命令を脳が下すことはあるが、力を抜くという命令はできない。あくまで力を入れるという命令を止めることでしかできない。
これがめちゃくちゃ難しい。
だから、休息をできるだけ与えず、練習を続けることで余計な力を入らなくさせる。また、余計な力を使いがちな部分が怪我をして使えなくさせる。
それが余計な力が使えず、脱力ができて、筋反射の連動を使えるようになることがある。つまり、スポーツの上達とは力が入るようになるのではなく、脱力なんだと。
筋肉を休ませる必要もない
通常のウエイトトレーニングでは、ある程度、筋肉に負荷をかけたら筋肉がトレーニング前より太くなるまで休ませるという考え方がある。でも、落合ノックは、筋力を上げることが目的ではない。ましては筋肉を太くすることに全く意味がない。なので、筋肉を休ませる必要はまるっきりない。筋反射の連動のためのトレーニングに休息はいらない。
打って打って打ちまくり、走って走って走りまくり、守って守って守りまくるのが一番いい。なので、当院では直線的なウエイトトレーニングを休息を取りながら行うことは、筋肉を太くすることには役に立つが、スポーツの上達には逆効果だと考える。当然、筋肉は硬くなり、自然な動きができないのだから、肩こりや腰痛にも逆効果。
ということで、当院の治療に興味のある方はぜひ。