屈筋と伸筋
筋肉は大きく2種類に分かれます。
筋肉が収縮した時に関節が曲げる屈筋
筋肉が収縮した時に関節が伸びる伸筋
例えば、
上腕二頭筋(Biceps)が収縮すると肘は曲がります。なので、これは屈筋。
上腕三頭筋(Triceps)が収縮すると肘は伸びます。なので、これは伸筋。
全身の筋肉はこのように屈筋と伸筋のどちらかに分かれます。
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伸筋を使って立っているのは本当か?
一般的には人間が力を出すときは伸筋を使うと考えられています。立っている時は、背筋を伸ばし、腕も足も伸ばしているからです。
ですが伸筋だと、縦方向に力が働かないので、体を立たせる力が非常に弱い。
だとしたら、なぜ「ふくらはぎ」など、屈筋は大きく太いのでしょうか?
屈筋を拡張させる
それは屈筋が拡張して関節を支えているからです。
屈筋、例えばふくらはぎ、はこのように関節を内側から押し上げるので縦方向に力が働きます。なので効率よく立つことができます。
ジャッキとクレーンどっちが強い?
例えるなら、屈筋は車を持ち上げる油圧式ジャッキのようなものです。ジャッキを拡張させることで車を持ち上げます。
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逆に伸筋はクレーンのようなものです。上からロープで引っ張り上げるわけです。
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さらに屈筋では支えているのは筋肉ではなく、腔の部分です。ですから、怪我をするリスクが非常に低い。
伸筋は筋肉を収縮させて体を支えているわけですから、関節や筋肉が損傷する可能性があります。
屈筋を連動させると数倍の力を出せる
この写真は昭和初期に撮られたもので、女性が5俵(1俵60キロ)の米を背負っています。
※実際は、撮影用に撮られたもので、このうち2俵は米が入ってない。普段はこのようなことはせず、この時も一歩も歩けなかったという。
昭和初期の日本人女性の平均身長は150センチくらいです。いくら撮影用とはいえ、少なくとも180キロはあったわけです。昔の人がいかに上手く、屈筋連動を使っていたかわかります。
これを現代のスポーツで応用する
屈筋連動を使えば、腰痛の患者様でも、施術の後に力を発揮することができます。小柄な選手が世界の選手と戦うためにはウエイトトレーニングではなく、屈筋連動であると確信しています。