ダブルスピン運動
ピッチングでは体を横に回転させます。ここでは、この動きをファーストスピンと呼びます。
上腕はネジられながら振られています。ここでは、この動きをセカンドスピンと呼びます。
この二つのスピンをタイミングよく掛け合わせると、大きな慣性力が生まれ、腕は勝手にスイングされます。腕を振る、のではなく、振られるイメージです。
このような動きを、ここではダブルスピン運動と呼びます。
3つの慣性力
詳しくは割愛しますが、ダブルスピンでは3つの慣性力が働きます。
ファーストスピンでは、体を横に回転しているので遠心力が生まれ、セカンドスピンでは、腕を上から下に振り下ろす方向に動かしているので、腕にかかる重力(数kg)が働きます。
そして、3つ目がコリオリ力。コリオリ力とは二つのスピンがうまく重なると発生する慣性力のことであり、また、これらの慣性力はピッチングの腕の振りと同じ方向に働きます。
この慣性力のおかげで、腕を加速することができるのです。ピッチングに重要なのは筋肉や力ではなく、慣性力なのです。
工藤公康投手のダブルスピン
40歳を超えてもエースとして活躍した工藤公康投手は、綺麗なダブルスピンで投げています。
2つのスピンにはタイムラグがあり、ファーストスピンが起きた後、遅れてセカンドスピンが起きています。
また、慣性力で勝手に振られるため、肘から先にスイングされています。
一流のキャッチボール
イチロー選手の綺麗なダブルスピン。
イチロー選手の力感のない、綺麗な放物線のキャッチボール。
一流選手は筋力ではなく、慣性力をうまく使うことで腕を加速しています。
Kiichiro Sports Body Care NYCでは、アマチュアからプロアスリートに向けて、筋力アップではなく、慣性力をうまく使える体づくりをサポートします。